2016年9月30日金曜日
ざしき童子(ぼっこ)のはなし
今日で9月も終わりですね。
9月というと
どうしても宮沢賢治のおはなしが読みたくなります。
賢治の命日が9月21日。
花巻で賢治祭もあり、
秋めいて、
東北の空気を思い出すからでしょうか。
何冊もある宮沢賢治の絵本ですが、
その中の1冊 『 ざしき童子のはなし 』をご紹介します。
” ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。”
と、始めにあります。
賢治と親交のあった
遠野物語の伝承者で作家・民俗学者でもある佐々木喜善の
『奥州ザシキワラシの話』を読んだうえで、
この話を書いたため、
「ぼくらの方の、」と始まるのでは、と言われています。
この本には
次の四つのエピソードが書かれています。
ふたりの子どもが庭で遊んでいると
座敷を箒ではく音が聞こえてくるが、
のぞいてみると誰もいない。
お振舞いに呼ばれた10人の子どもたちが、
「大道めぐり、大道めぐり。」とぐるぐるまわって遊んでいるうちに
11人になっている。
知らない顔がなく、同じ顔もないのに、
どう数えても11人いる。
本家の如来さまのお祭りに
分家の子たちが呼ばれることになっているが、
そのうちの一人がはしかにかかり、
お祭りを延期する。
それがおもしろくない子たちは
いっしょに遊ばない、と決め
その子が来た途端に小座敷に かけ込むが、
今来たばかりのはずの子がきちんと座っている。
渡し舟の船頭の話として
紋付、袴のきれいな男の子を舟に乗せる。
長くいて飽きた家から、
新しい家へ行くと言う。
このひとつひとつが
” こんなのがざしき童子です。”
で終わります。
何だか不思議で少し不気味で、
でも怖すぎることなく、
教訓めいたところもなくて
私の好きなおはなしです。
伊勢英子さんの絵が
東北の季節と雰囲気を描いていて
引き込まれます。
色の美しい大判の絵本です。
『ざしき童子のはなし』
文 宮沢賢治
絵 伊勢英子
発行 講談社
1985年第1刷発行
2003年第12刷
定価¥1600
BOOKS144販売価格¥900
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