しちめんちょうおばさんの こどもたち
今日は
『しちめんちょうおばさんの こどもたち』
という絵本をご紹介します。
油絵の挿絵の色合いがいいです。
強いタッチの残る画面。
春の沼のほとりで見つけた、
持ち主のわからない4個の卵をあたため、
孵ったヒナを育てるしちめんちょうおばさん。
育つにつれ、
泳げる、飛べる、
おばさんとは違ってきた子どもたちを
「私の子どもだ。」と 育てます。
おなかの下に子どもたちを眠らせる
おばさんの力強い背中。
りっぱに羽根も生え、
南の国へ飛んでいこう、と誘う子どもたちに
(子どもたちは実はマガモだったのです)
「私は行けないよ。
でもおまえたちはもう一人前のマガモなんだから、
仲間といっしょにお行き。
来年の春にはきっとここに帰ってきて、
旅の話をうんと聞かせておくれ」
と言います。
夕方に旅立って行ったこどもたちを
じっと見送るおばさんのたたずむシルエット。
この濃いブルーの場面に
おばさんの心情を思い、
また、見事に子どもたちを巣立たせた姿に
なんて立派な母、と感心せずにはいられません。
『しちめんちょうおばさんの こどもたち』
吉野公章 さく
おのきがく え
1974年 発行
1994年 こどものとも 特製版
福音館書店
¥1,000
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