晴れていても風は冷たくて寒いですね。
でも家の玄関を出てから
BOOKS144までの道は
もう春の雰囲気でした。
福寿草の花の鮮やかな黄色。
出始めた草のみずみずしい緑、
クリスマス・ローズのつやつやした若い葉。
道路に落ちる桜の木のやわらかな影。
もう暖かくなってほしい、という思いを込めて
今日は『はるまつり』という絵本をご紹介します。
桜の花のころのお話ですので、
少し早すぎますが。
春祭りの様子が細かく描かれています。
扉の、春祭りの近づいてきた町の一場面から始まります。
そして、当日の朝の町の全景。
たいこや笛のお囃子連の乗った屋台を引くこどもたち。
夕方になって提灯に火が灯り、
暗くなってますます活気付くお祭りのようす。
水の流れに提灯の灯りが映って、
お囃子の音色や
お店の人たちの客を呼ぶ声、
子どもたちのにぎやかな声、
お神輿をかつぐ男たちの
アルコールの入った熱気を帯びた声まで
聞こえてくるような気がします。
この絵本のお祭りは昭和のお祭りですね。
はちまきをした風船や、べっこう飴。
売られているお面。
歩いている人々の顔や服装。
子どものころ、
こんなおじいさんやおばあさん、
こんな男の子がいたなあ、と、懐かしく、
挿絵の細部まで見てしまいました。
『はるまつり』
菊池日出夫 作
福音館書店 発行
1985年 こどものとも発行
1991年 こどものとも傑作集 第1刷
¥1500
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