2013年10月21日月曜日

おおきな きが ほしい

最近は木のある庭が少ないですね。
とくに登れるような大木はありません。

今の家にはありませんが
子どもだったころの庭には
大きなケヤキ、エンジュ、ナンキンハゼなどがありました。
登りやすいのは、サンシュユの木でした。

春には黄色い花が咲き、
秋には小さい実が赤くなりました。
でもイラガの幼虫が付くので
気をつけなくてはいけませんが、
この木に登るのが大好きでした。

二本に分かれた幹に足をかけ、
勢いをつけて跳ね、横に伸びた枝をつかみます。
太い方の幹の二股に分かれたところまで上がり、
さらに上へ登ると
枝が何本にも別れた座るのにいい、
小枝や葉に囲まれた特等席がありました。
私はここにすわって
いつもと違った目線で庭を眺めるのが好きでした。

今思えばそんなに高くもなかったのですが、
子どもにとっては別世界。
鳥になったような気持ちでした。
そこにすわって
どんなことを想像していたのか・・・。

おおきな きが ほしい

いまBOOKS144に
『おおきな きが ほしい』 という本があります。

かおるが、大きな木があったら、と
次から次へと想像を膨らましていく絵本です。

大きな木の二番目の枝まで梯子をかけ、
洞になった木の幹の中の梯子を登ると
そこは、かおるの小屋。
キッチンもテーブルも、ベッドもあって
ホットケーキを焼いたりできるのです。
さらにその上には見晴らし台。
りすや小鳥も住んでいて
かおるに丁寧にあいさつするのです。

ここで過ごす四季はどんなでしょう。

こんなすばらしい大きな木。
子どものころの夢の木です。

「木の上で生活する」。
なんて すてきな!
ここまで、大きく高く立派でなくてもいい。
疲れてしまったとき、
すわってお茶が飲めるだけでもいい。

今でもツリーハウスにはあこがれ続けています。

『おおきな きが ほしい』
文 さとうさとる
絵 むらかみつとむ
出版 偕成社 
1971年第1刷発行
2007年第138刷
¥500

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