あのねこたちは・・・

うちの近所にも
猫たちがたくさんいます。
やはりこの時間はここ、というように
決まった場所で昼寝をしていたり
毛繕いをしていたりします。

猫のために
たたんだタオルを敷いた空き箱が
置いてあったり
敷物が玄関脇にあったり
猫好きのいるお宅は何となくわかります。

歩いていて出会う猫たちは
決して近付いて来ず、
逃げもしませんが
誇り高い野良猫の顔をしています。

貫禄があって
このあたりのボスでは、と思われた猫が
だんだんうらぶれて
ほかの猫の姿におどおどする様子を見ると
さびしいものです。

そうして姿を見せなくなった猫が
何匹もいます。

ここにはあの子がいたな、
そういえば、あの子も最近見かけない、
と、その姿を思い出す猫たち。
どれくらいいるでしょう。

長田弘さんの 『ねこのき』

今月はじめに

詩人の長田弘さんがなくなりました。

たくさんの著作がありますが

BOOKS144にも詩集、絵本など

何冊かあります。

そのなかの『ねこのき』という絵本をご紹介します。

大橋歩さんのオイルパステルによる

あたたかい絵。

花のすきな

一人で暮らしているおばあさんと

おれんじいろの長いしっぽのねこのお話です。

長田弘さんの後書きに

「散歩をする道をきめて、

 いつもおなじ時間にその道を歩いてゆくと、

 いつもおなじ場所で、

 おなじ猫たちに出会います。」

と、あります。

そして毎日歩く道で

多くの猫たちと知り合い

お互いに親しく挨拶をかわすようになっていく。
くつろぐ猫に足を止め、
ときにはしゃがんで声をかけたり。

そんな穏やかな散歩風景が想像できます。

後書きは次のように続きます。

「その顔見知りの猫たちの一匹が、

 ある日ふっつり姿を消し、

 それっきりになりました。

 この小さな絵本を、

 そのいなくなった猫のために。」

『 ねこのき 』

長田弘　さく

大橋歩　え

クレヨンハウス　発行

１９９６年第１刷

２００７年第６刷

定価 ￥１１６５＋税

BOOKS!44販売価格 ￥６００

営業時間、変わります。

もう５月も終盤。
すっかり日が長くなりました。

BOOKS144も明日から
営業時間を夏時間にします。

１２時から夕方６時までです。

今までチャンスがなくて
窓から覗くだけでした、という方も
いらっしゃるかもしれません。

ぜひお立ち寄りください。
お待ちいたしております。

花菱草

台風が近付いてきています。
まだ静かですが
時おり突風が吹いたり
雨がぱらっと降ったり。
雲もだんだん重くなってきました。

少し前に花菱草の鉢植えをいただきました。
葉の様子を見ると
ケシの仲間だとわかりますが、
どんな花か楽しみに待っていました。

つぼみが大きくなってきて
昨日ついに咲きました。
外側はピンクの可憐な花。
道端で群れて咲いている
オレンジ色のナガミヒナゲシは
一日で散ってしまいますが、
花菱草は
暗くなると花を閉じて
朝また開きます。

玄関の日当たりのいいところに置いてありますが、
今夜は室内に避難させなければ。

黄菖蒲が見ごろです。

呑川には
菖蒲がたくさん生えています。
端午の節句のころの
紫から始まり、
いまは黄色の花が風にゆれています。

晴れた日にはまぶしいくらいの
鮮やかな黄色が
この季節にぴったりです。

去年は川いっぱいに
あふれるほどに咲いていましたが、
今年はどうでしょうか。

気持ちのいい日曜日。
今日は母の日です。

５月です。

もう5月です。

植物が元気に伸び、茂り、
木の葉も、硬く厚くなる前の
まだ若い新鮮な緑色。

空気はさっぱりとして
日向は暑いですが
陰に入れば涼しく、
雑草をむしっていても
蚊に刺される心配のないこの時期は
一年中でいちばん好きです。

川べりのコデマリも満開。
夕方、日が傾いて
白い花が薄暗がり浮き上がって見えるころ
空き地や川の上では
こうもりがヒラヒラッと
不規則に飛んでいますね。

呑川の中では菖蒲も咲いています。

もうすぐ端午の節句です。